2006年5月28日 (日)

HIVの起源、カメルーンのチンパンジーと特定

 世界的な感染拡大が続いているエイズウイルス1型(HIV1)は、アフリカ・カメルーンに生息している野生のチンパンジーが起源となっていることを、米アラバマ大などの研究チームが明らかにした。初めて実施された大規模な現地調査と遺伝子解析による成果で、従来の見方を裏づける結果となった。26日、米科学誌サイエンス電子版に発表する。

 HIV1の起源をめぐっては、よく似たサルエイズウイルス(SIV)がこの地域のチンパンジーから見つかっていることから、これまでもチンパンジー説は有力だった。ただ、生息地域が隔絶されていることや、チンパンジーが絶滅の危機にあるといった理由で、研究は進んでいなかった。

 研究チームは、チンパンジーのふんから感染ウイルスの遺伝子を見分ける方法の開発に成功。カメルーン南部の森林10カ所で採取した446匹分のふんを分析した。

 その結果、今回調べたチンパンジーから、これまでに見つかっているSIVのなかで、最もHIV1に近いウイルスを見つけた。

 これまで感染が判明したケースは飼育動物がほとんどで感染率が2%ほど。野生のチンパンジーの感染実態はよく分かっていなかった。今回の調査では、あるグループの感染率が35%と高率だった。

 研究チームによると、このSIVが20世紀初め、一帯にすむチンパンジーからヒトへ、種の壁を超えて感染した結果、HIV1になったと考えられるという。

 また、エイズウイルスは突然変異を繰り返すことから、多数の遺伝子の種類がある。今回の調査以外、ほとんど調査が進んでいないこの周辺地域では、まだ発見されていない新しいウイルスが存在する可能性があり、ヒトへ感染する危険もある、と研究チームは指摘している。

asahi.com 2006年5月26日

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2006年4月13日 (木)

感染症、がん防ぐかぎになる酵素発見 理研

 ウイルス感染を防いだり、関節リウマチなどの自己免疫疾患を引き起こしたりする「1型インターフェロン」という物質が体内で作られるのに必要な酵素を、理化学研究所のチームがマウスで見つけた。この酵素で1型インターフェロンができる量を調節できれば、感染症やがん治療に応用できる可能性があるという。13日付の英科学誌ネイチャーに掲載された。

 1型インターフェロンはウイルスなどの異物が体内に入ると作られる。免疫を高める作用があり、生体の感染防御に役立ち、薬としてがん治療に使われる。だが、免疫を高めすぎると、副作用で関節リウマチなどの自己免疫疾患が起きる。

 理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センターの改正(かいしょう)恒康チームリーダーたちは、免疫細胞が異物の侵入に反応し、さまざまな物質を作り出す「自然免疫」の仕組みに注目。このうち1型インターフェロンが作られる反応を強く促す酵素を見つけた。この際、自己免疫疾患などの原因となる物質も作られるが、この酵素は1型インターフェロンを作る働きだけに作用することがわかった。

 改正さんは「この酵素をうまく調節できれば、免疫を高めてがんや感染症を治療できるばかりか、免疫を抑えて自己免疫疾患を治療することも可能になる」と話している。

From asahi.com 2006年4月13日

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2006年4月 6日 (木)

コエンザイムQ10:厚労省の回答待ち再検討 食品安全委

 老化防止に効果があるとされる健康食品の「コエンザイムQ10」について、政府の食品安全委員会(寺田雅昭委員長)は6日、安全性評価を求めている厚生労働省に質問状を出し、回答を待って再検討することを決めた。

 同委員会の専門調査会がデータ不足などを理由に、具体的な議論を見送っていた。この日の委員会では「健康被害があるかもしれないからこそ、評価を依頼されたのではないか」との意見も出たが、「健康被害との因果関係が不明なうえ、医薬品としての規制との関係も不明確。人体への影響に関する科学的な情報も不足している。現段階で判断することは難しい」との結論になった。寺田委員長は「できるだけ早く厚労省とやりとりし、評価したい」と話した。

From 毎日新聞 2006年4月6日

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2006年4月 5日 (水)

納豆の粘り成分活用、新型インフルエンザの出現を監視

 鳥インフルエンザウイルスが変異し、人間社会で流行する新型インフルエンザウイルスに変わることが世界的に懸念されているが、そのウイルス変異の兆候を監視する安価で簡単な検査法を静岡県立大薬学部の鈴木隆教授らがヤマサ醤油(しょうゆ)などと共同で開発した。


 インフルエンザウイルスは、鳥や人の粘膜などの細胞表面に取り付く。もし鳥ウイルスの形が、人の粘膜にも取り付きやすいように変異すると、人で感染が広がる可能性が高まる。

 鈴木教授らが考えたのは、納豆の粘り成分で鳥や人の細胞の一部を検査用の板に固定し、ウイルスを加えて形が変わっていないかどうかを調べる方法。従来の方法より検出感度が非常に高くなるという。

 タイの動物衛生研究所では、鳥インフルエンザウイルスの変化を監視する道具として、実験的に使用を始めている。

From YOMIURI ONLINE 2006年4月4日

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ニコチン、やはり肺がん増殖に関与? 治療薬の働き阻害

 たばこに含まれるニコチンは肺がん治療に使われる抗がん剤の働きを妨げることを、米南フロリダ大の研究チームががん細胞の実験で明らかにした。ニコチン自体は発がん性がないとされるが、がんの増殖に関与しているらしい。米科学アカデミー紀要(電子版)に3日発表される。

 研究チームは、肺がんの細胞にニコチンを加えたときの抗がん剤の効き目を、日本でも認可されている3種類の肺がん用抗がん剤(ゲムシタビン、シスプラチン、パクリタキセル)で調べた。その結果、ニコチンがあると、抗がん剤で死ぬがん細胞の数が明らかに減ることが分かった。

 喫煙者の血中に含まれるような少量のニコチン量でも、これらの薬効を下げるとみられ、禁煙中でもニコチンパッチやニコチンガムを使うと、薬がうまく効かない恐れがある。

 研究チームによると、ニコチンが加わると細胞内の2種類の遺伝子が活発に働くようになり、抗がん剤の作用を妨げると考えられる。これらの遺伝子の働きを抑制することで、ニコチンの作用も抑えられたという。

From asahi.com 2006年4月3日

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ビタミンC不足で老化促進 都の研究員ら解明

 ビタミンCが不足すると老化が進みやすくなることを、東京都老人総合研究所の石神昭人・主任研究員と東京医科歯科大大学院の下門顕太郎教授らの研究グループがマウスの実験で明らかにした。人の老化のメカニズムの解明につながることが期待できるという。米科学アカデミー紀要(電子版)で4日に発表する。

 マウスなどは人と違い、体内でビタミンCを合成できる。グループは、ビタミンCを合成できないマウスを遺伝子操作でつくり、ビタミンCが少ないえさで飼育した。死亡で半数になる速さを比べたところ、通常のマウスは24カ月かかったが、操作したマウスは6カ月で半数となった。死因は老衰で、4倍の速さで老化が進行したことになる。

 さらに、ビタミンCを全く含まないえさでこのマウスを飼育すると、人がビタミンCの欠乏でかかる壊血病の症状が現れて、約半年後にはすべてが死んだ。

 日本ビタミン学会ビタミンC研究委員会委員長の村田晃・佐賀大名誉教授は「ビタミンCの老化防止作用について、動物実験で科学的な根拠が出たのは初めてではないか。ビタミンCが不足すると老化が進むと言われてきたが、それを裏付けるデータで、より確実になってきた」と話している。

From asahi.com 2006年4月2日

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2006年3月22日 (水)

リンゴ成分、中性脂肪を抑制 アサヒビールが商品化検討

 リンゴの抽出成分「リンゴポリフェノール」が、血液中の中性脂肪が増えるのを抑える効果があることを、アサヒビールが人への臨床試験で初めて確認した。これまでは動物実験でしか確認されていなかった。25日から京都女子大学(京都市)などで開かれる日本農芸化学会大会で発表する。

 リンゴポリフェノールには、小腸で脂質を分解する酵素「リパーゼ」が活性化するのを抑える効果がある。小腸で吸収されない脂質は、そのまま体外に排泄(はいせつ)される。

 臨床試験では、約600ミリグラムのリンゴポリフェノール(リンゴ3個分)を摂取してから食事をすると、摂取しない場合に比べ、血液中の中性脂肪が約20%減る効果が確認された。

 単純比較はできないが、ウーロン茶ポリフェノールと同程度の効果と見られる。同社は肥満や高脂血症の予防に役立つとみて、サプリメントなどへの商品化を進める考えだ。

From asahi.com 2006年3月22日

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2006年3月 3日 (金)

鳥インフル、腸や腎臓などでもウイルス増殖を確認

 人間への感染が懸念されている鳥インフルエンザウイルス「H5N1」は、呼吸器だけでなく、腸や腎臓など多くの臓器で増殖することを、オランダの研究チームが動物実験で確認し、専門誌「米病理学誌」で報告した。


 遺伝子が変異して人間に感染するようになった場合も、多くの臓器に感染・増殖する恐れがある。研究チームは「症状が全身に出るので、これに対応した新たな診断基準作りや、多様な感染経路に配慮した対策が必要」と指摘している。

 通常のインフルエンザウイルスは、哺乳(ほにゅう)類では気道でしか感染・増殖せず、くしゃみなど飛沫(ひまつ)でうつるとされている。エラスムス医学センターの研究チームは、H5N1が体内でどのように増殖するか調べるため、8匹のネコに感染させ、1週間後に分析した。

 その結果、すべてのネコで、複数の臓器がウイルス感染しており、ふん便からもウイルスが検出された。また、感染したヒヨコを食べたネコは、ウイルスが腸を介して感染していたことも分かった。

From YOMIURI ONLINE 2006年3月2日

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2006年2月26日 (日)

インド洋の仏領島で謎の熱病 16万人感染、77人死亡

 インド洋に浮かぶ仏領レユニオン島(人口78万人)で謎の伝染病が大流行し、すでに16万人が感染、1月末までに77人が死亡した。蚊がウイルスを媒介することはわかっているが、ワクチンも治療法もない。鳥インフルエンザ対策に追われるドビルパン首相は26日、大急ぎで同島を訪れ、撲滅対策に本腰を入れる。

 伝染病の名はチクングンヤ熱。仏政府によると、流行は昨春に始まったが、昨年12月から急速に拡大。モーリシャスやセーシェルなど近隣の島国でも患者が見つかった。仏ラジオは25日、パリの専門医の話として本土でも似た症状の患者約30人がこれまで発見されたと伝えた。

 チクングンヤはスワヒリ語で「身をのけぞらせる」意味で、高熱と関節の激痛を伴う。致死性の病気ではないと見られていたが、死者が増えていることに仏当局は衝撃を受けている。同島は仏本土からの観光客も重要な収入源だけに経済ダメージも深刻。仏軍部隊400人を投入して蚊の撲滅作戦を始めている。

From asahi.com 2006年2月26日

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2006年2月25日 (土)

タミフル、化学的製造法を開発…スイス社と話し合いへ

 インフルエンザの特効薬タミフルを植物原料を使わず化学的に製造する方法を東大大学院薬学系研究科の柴崎正勝教授らのグループが開発した。


 世界で需要が急増している抗ウイルス薬の安定生産を可能にする技術として注目されそうだ。

 タミフルは、スイスの製薬大手ロシュが独占的に製造している。中国料理に使われる植物トウシキミの果実「八角」を原料に、その成分であるシキミ酸から複雑な工程を経て生産される。新型インフルエンザにも効くと予想されるため、各国が備蓄を進めているが、慢性的に品不足状態にあるうえに、天候不順だと原料の確保が難しくなる。

 柴崎教授らは、石油から生成される安価な化学物質「1、4—シクロヘキサジエン」を原料に、シキミ酸なしでタミフルを作ることに成功した。

 反応を促進させるため、野依良治博士のノーベル賞受賞業績でもある「不斉触媒」という技術を用いた。柴崎教授はこの分野の第一人者で、日本が世界をリードしている。

 タミフルに耐性を持つウイルスが出現した場合も、この製造法を応用すれば、新薬開発につながる可能性があるという。

 東大は大学所有の知的財産として23日、この製造法を特許出願したが、タミフルの製造販売権を押さえているロシュの許可なしには生産できない。柴崎教授は「ロシュと話し合い、実用化研究を進めることになるだろう」と話している。

From YOMIURI ONLINE 2006年2月24日

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