« 南極のオゾンホール、今世紀半ばに解消へ | トップページ | HIVの起源、カメルーンのチンパンジーと特定 »

2006年5月28日 (日)

温室効果ガス:政府、近く排出権購入開始 高騰懸念、早期に1億トン

 政府は近く、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出権の購入を開始する。京都議定書の削減義務を達成する切り札として、2012年の期限までに約1億トン(CO2換算)分の排出権を買い取る予定だ。08年からの削減期間以前に購入を始め、早期の安定取得を目指す考え。しかし、世界の排出権供給には限界があるうえ取得は欧州が先行しているため、「急がないと目標量を確保できない」との危機感も広がっている。

 政府が購入するのは、「クリーン開発メカニズム(CDM)」による排出権が中心。先進国が途上国の削減事業に技術や資金を提供しCO2などが削減されれば、その分を先進国が自国の削減分とみなせる。実際の事業は民間企業の実施がほとんどのため、政府は民間から買い取ることになる。

 日本がこれまでに承認した国内企業のCDMなどは49件。主な事業は、代替フロン製造時に副次的に作られる温室効果ガスHFC23を回収し分解する(中国、インドなど)▽風力発電(韓国、アルゼンチンなど)▽メタンガス回収(チリなど)。これらから、排出権の売却先を日本政府と想定する企業を7月にも公募し、個別に価格交渉して購入する。これまでに12年までの購入経費として122億円を確保したが、来年度以降も追加支出がある見込み。京都議定書の削減義務のうち、政府は排出権購入で約1・6%分をまかなう方針だ。排出権取得は欧州諸国が先行している。オランダが既に約710億円を支出して目標の約8割の8100万トンを確保したとされるのをはじめ、約3億トンの排出権が売約済みとみられている。

 一方、12年までの世界中の排出権需要は約7億トンとされる。これに対し供給量は推計で5億〜12億トン。排出権の平均価格は現在1トン当たり5〜6ドルだが、今後は2〜5倍になるとの予測もある。

 政府は「早期に安く一定量の排出権を取得したい」として、代金の一部を前払いとすることなどで価格を安定させたい方針。しかし、今後の価格動向によっては大幅な追加支出を迫られる可能性も出ている。

毎日新聞 2006年5月22日

|

« 南極のオゾンホール、今世紀半ばに解消へ | トップページ | HIVの起源、カメルーンのチンパンジーと特定 »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 温室効果ガス:政府、近く排出権購入開始 高騰懸念、早期に1億トン:

« 南極のオゾンホール、今世紀半ばに解消へ | トップページ | HIVの起源、カメルーンのチンパンジーと特定 »